アンソニー

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのアンソニーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく長い。
実際の時間よりも体感短くは
感じましたが、それでも長い。
でも、扱うテーマが人種問題なので
エンタメ的に簡略化するとか省略する事無く長くなってでもしっかりと
描いていたのは素晴らしいと思います。

お話は1920年代頃の
アメリカ・オクラホマ州。
白人である主人公のアーネストが
自分の叔父一家と妻のオーセージ族たちとの
板挟みになって大変なことになるって感じ。

アーネストはかなりお馬鹿で
人の意見(特に叔父)に影響されまくって
いいように利用されてしまう。
たくさん道を踏み外して
行くところまで行くんですが
最後の最後、これだけは超えちゃいけない
超ギリギリのラインで立ち止まる。
罪を償う選択をする。
強盗するし妻を殺す寸前まで追い込むし
かなり最低な野郎なんですが
感情移入出来るように
命令を伝えるだけとか、薬を自分も飲むとか
色々工夫が凝らされてあったので
上手いなぁと思いました。

あと、ラストで罪を償うところ。
ここで覚悟を決めたヒーローの様に
描かなかったのが良かったです。
あくまで罪人。
そのスタンスがあったので
かなりスッキリ出来ました。

先住民族たちと白人たちの問題で
土地を奪い取ったというのは知ってましたが
遺産や財産までも奪おうとしていたのは
驚きました。
それを知る機会を得れて良かったです。