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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmitzのレビュー・感想・評価

3.5
1920年代のオクラホマ州。その地で採掘される石油の利権を巡って、先住民たちの既得権益を強奪し、殺人に手を染める白人たちの実話を基にした物語。
とにかく登場人物が多く、そしてひとりひとりのバーソナリティをかなり細かい部分まで描写するため前半は一体何の話なのか全く掴めず、後半からの狡猾で利己的な白人たちの暴挙が始まりやっとストーリーの構成が見えてきます。
権力者(ロバート・デ・ニーロ)の甥でありながら、先住民と結婚するどっちつかずの青年(レオナルド・ディカプリオ)の与太話が西部劇でありながら古典落語のような展開でとても見応えがあります。
ラストシーンからの後日譚をブラスバンドで演出するなど、クラシカルでありながら前衛的な試みもあり総じて娯楽性が高くマーティン・スコセッシ監督作品として、役者たちの演技力や演出など申し分ない作品です。
ただ同監督作品が長尺なのは周知されていますが、今作は特に長くそして長く感じます。この脚本であれば、配信版の連続ドラマの方が観易かったかも知れません。
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