このレビューはネタバレを含みます
3時間30分
マラソンを走った翌日に観に行ったので、早い人はフルを走り切る時間だな、としみじみ。
使うインディアン、使われる白人。
裏返った状況は「バービー」にも共通しているが、れっきとした史実に基づいてる事は大きな違い。
歴史に埋もれた連続殺人に迫る本作だが、人殺しや犯罪には大義も名分も無いことが本作では描かれる。
ごくごく一般の、冴えない男が犯罪に手を染める。人を殺す。
スコセッシが描きたかった歴史が、アメリカが目を背けてきた歴史が、そこにある。
エンタメ性をとことん廃し、白人を徹底的に非難する今作。
同時期に上映されている「福田村事件」の生き残った子どもが、殺された身内の数を訂正する語りもやるせないラストであったが、本作もまたインディアンの女性の語りがやるせない。
殺害されたインディアンたちの名前を読み上げ、
「捜査されず」。「 no investigation」。
怒りのような悲しみのような、マイナスの感情が渦を巻く。
映画館だからこそ、スマホをいじらず観きりたい一作。