めちゃオモロい。
ストーリーや歴史的事実もさることながらキャラ萌え映画でした。
「ジョン・ウィック コンセクエンス」の上映時間を見た時に「マーティン・スコセッシじゃないんだから。」と言いましたがさすが本家、堂々の206分。
これが全然長く感じない。
さすがに体感30分とは言えませんが体感2時間30分くらいでした。
スコセッシ映画うめえな。
ネイティブアメリカンへの白人の非人道的行いなCIAのずさんな捜査、オセージ族という特異な立場にあった人達のストーリーはどれも興味深かったです。
でもそれ以上にキャラクターが最高。
デ・ニーロとディカプリオの新旧スコセッシお気に入り俳優の対決をお腹いっぱい楽しめました。
当初の予定の様に捜査官を主役にしたミステリー物にしなくて大正解。
誰にでも心当たりのある人間の弱さを持ったアーネストを主役に据えた事で深みが出ました。
この組織の中で同調圧力に流され、その場その場を取り繕い、行動や思考の矛盾を自己正当化していくアーネストの生き方は日本人に結構刺さると思います。
よく海外では日本と違って個性を大事にしてくれて自由に生きられると言っている人を見ますが、学園物や会社物のハリウッド映画を見るにつけて何か日本より同調圧力やら何やら強くない?と感じてしまいます。
何よりデニーロ演じるキングが最高です。
「いやー気軽にキングって呼んでよ。」というあの感じ最高です。
物腰は柔らかなのに有形無形の圧力で他人をコントロールし常にマウントを取って序列をはっきりさせるタイプ。
この2人に加えてリリー・グラッドストーンの繊細で揺らぎながらも芯の強い演技も良かったです。
アカデミー賞取りそうですね。
ブレンダン・フレイザーの使い方も良い。
あのキラキラお目々で圧力かけられたらメチャクチャ怖い。
イーストウッドはじめ名匠達がみんな元気すぎるから麻痺していますが、いつまで劇場でスコセッシの新作を観る機会があるかは分からないのでマストで劇場鑑賞すべきでしょう。