マリオン

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのマリオンのレビュー・感想・評価

4.5
ネイティブ・アメリカンの文化や富を蹂躙していく白人たちの傲慢さや人間の愚かさを206分にギュッと詰め込んで軽妙に描くマーティン・スコセッシの手練れぶりは今回も健在。ほぼ同じ上映時間である『アイリッシュマン』と体感時間がぜんぜん違う。編集の妙を感じるとはこういうことなのだなと実感させられる。そして、事件に関わるダメ男とオセージ族の視点を中心にすることで、より深く事件の本質に迫っている。

それにしても、レオナルド・ディカプリオ演じるアーネストの空っぽさにはイライラさせられながらも人間味を感じる。特に彼がお尻ペンペンされて叱られているのには笑ってしまった。いい年した大人があんな情けない姿をさらしても頑張って生きてきたのだと思うとなんだか元気が湧いてくる。また、ロバート・デ・ニーロ演じるウィリアムの恐ろしい詰め寄り方も印象的。怖いジジイだった。
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