パングロス

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのパングロスのレビュー・感想・評価

4.8
いやぁ面白かった!
3時間半という長さを全く感じないほど、息つく間もない感じの濃密な鑑賞体験だった。

ちょっと優れた演劇を観たような感覚。
群像劇であったとしても、脚本と演出の整理が行き届いていて混乱することはない。
終始、俳優陣の迫真の演技を楽しめる。
これ、このまま舞台で演劇として上演できるのではないか、と思えるほど、優れた脚本・演出だ。

スコセッシ、81歳にして衰え知らずだなぁ(もちろん80歳のデ・ニーロも、だ)。
  
オーセージ族の言語や文化を最大限に尊重して丁寧に再現して作劇に生かしたり、その役をネイティブ・アメリカンの俳優に演じさせているあたり、台湾映画「セデック・バレ」を思い起こした。

ちょうど、ネトフリドラマ「京城クリーチャー」を観たのだが、日本人役を全て韓国人が演じて違和感を覚え、日本文化の描写も杜撰過ぎて萎えていたところだったが、本作でスッキリした。
「京城」の制作者は、スコセッシの爪の垢でも煎じて飲んで欲しい(笑)。


【以下、ちょっとネタバレ⚠️】



ラストのラジオドラマのシーンで、解説者役を演じていたの、スコセッシ御大本人でしたよね。
(パンフレットがないので充分確認できないが、確かエンドロールにも出て来たはず。)

大監督のこういう形でのカメオ出演って珍しいのでは?
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