マルケス

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのマルケスのレビュー・感想・評価

3.5
1920年代のオクラホマで起きたオセージ族連続殺人事件の映画化。白人がどれほど非白人を差別し悪どい所業をしたか、その一端が分かる。

絶対悪のキングと善のモリー、その間で右往左往するアーネスト。モリーへの愛はあっても命じられるままに家族を殺害し、モリーに毒を盛る。
大多数の人間はアーネストのように強者に逆らえず、迷い惑いつつ善と悪を行き来するのだろうと思った。

カトリック、オセージ族の死生観、それぞれの描写が興味深い。このあたりはスコセッシ監督ならではと言えるのかも。

ベストアクトはリリー・グラッドストーン。寡黙ながら神秘性と威厳を感じさせる存在感。たとえ受賞に至らなくとも自分的にはオスカー確定。
ロドリゴ・プリエトのカメラと、ロバートソンの音楽も良かった。

脚本について気になる記事を読んだ。企画を持ち込んだディカプリオは初稿が気に入らず、書き直したのはポール・トーマス・アンダーソンだという。クレジットはエリック・ロスとスコセッシでPTAの名前はない。真偽はどうなんだろう。
マルケス

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