アラカン

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのアラカンのレビュー・感想・評価

3.7
めちゃくちゃ面白い、、面白い、けど3時間必要なほどのストーリーでは無いと思う。丁寧に描いていたからこそ情緒全てに寄り添うことは出来たけれど2時間〜2時間半でも上手くまとめられるんじゃないかってくらいに意味が重複してるシーンが多かった。

ネイティブ・アメリカンがユダヤ人のポジションで描かれており、人種問題に切り込むというより、そうした価値観の土壌をランダムにすることで人間そのものの醜さも規範的な美しさも同時に客観的に映し出そうとしたのかなと。

アーネストのモーリーを思う気持ちは本物だったはず。欲望と愛情は矛盾せず並行して存在したけれど、徐々に罪悪感だけが肥大していった。それを愛と履き違えて寄る辺にしていただけで、ただただそこにあったのは弱さだった。子供を失うことでようやく全ての感情に勝る怒りが芽生え、常に揺れていた優先順位が確立した。ただやはり全てを悟られた最後のモーリーからの質問に窮してしまうアーネストは弱さの象徴だった。
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