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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのSHOTAのレビュー・感想・評価

4.0
「キラー・オブ・ザ・フラワームーン」は、1920年代にオクラホマ州で実際に起きたオセージ族インディアンの殺人事件を描いた実話に基づく作品。
オセージ族はその土地で石油が発見されたことにより、裕福になったが、その富が原因で、オセージ族は次々と殺害され、連続殺人事件を調査するために、新たに設立されたFBIが介入し、事件の真相を暴いていく物語。

本作品では、深い家族愛と人類愛のテーマを重く感じた。この作品は、単なるミステリーやサスペンスではなく、人種差別という重いテーマを通じて、人間の本質に迫るものです。

オセージ族が石油によって得た富は、彼らにとって繁栄の象徴であり、家族を守り支える手段でもありました。しかし、その富が逆に彼らを危険に晒し、人種差別と欲望に満ちた陰謀の犠牲となっていく様子は、非常に心が痛みました。富を狙う白人たちの冷酷な行動は、人種差別がどれほど根深く、そして破壊的なものであるかを強く感じさせます。

物語の中で描かれる家族愛は、オセージ族が直面する悲劇を一層際立たせます。彼らが互いに支え合い、愛し合う姿は、人間の美しい側面を映し出していますが、それだけにその愛が破壊される瞬間の痛みは一層深く、胸に迫ります。

また、人類愛というテーマも、FBI捜査官たちの奮闘を通じて描かれています。彼らは正義を求め、差別に立ち向かい、オセージ族の人々を守ろうとします。この対照的な姿は、人間の中に存在する善と悪の二面性を示しており、深い共感を呼び起こします。

「キラー・オブ・ザ・フラワームーン」は、家族愛と人類愛の重要性を再認識させるとともに、人種差別の恐ろしさとその克服の難しさを考えさせられる作品です。この物語を通じて、私たち一人一人が持つ愛と正義の心が、どれほど貴重で力強いものかを感じることができました。
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