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川沿いのホテルのayのレビュー・感想・評価

川沿いのホテル(2018年製作の映画)
3.5
雪景色にぽつんとたたずむ小さなホテルは、ホン・サンスの空間構築の潜在力を試す格好のモチーフだったんだろうか。これまでのフィルモグラフィで芸術性では随一の作品じゃないかなとも感じた。老詩人のわびしさ、諦念、孤独の苦み。体温あるモノクロームの世界に、求道的な空気がほのかにあった。

去年「イントロダクション」をみたときに、過去作からの飛躍に気持ちが追いつかないところがあったのだけれど、その時点で未見だった「草の葉」やこの「川沿いのホテル」の観念的な表現の流れあっての「イントロダクション」だったんだと思うと、記憶をさかのぼって何か腑に落ちるものはあった。
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