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幸せへのまわり道のtorakoaのレビュー・感想・評価

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
3.8
子供番組で知られる聖人じみた人にインタビューして記事を書くことになった辛辣記者が、その出会いにより父とのわだかまりや自身について考える話。
その子供番組仕立てで語られていく体らしく、突然ミュージカルめいた歌をトム・ハンクスが歌い出して何事?ってなった。戸惑うわ。歌唱力は凡人。うまくないが下手ではない。
実話ベースだそうで、スタッフロールにモデルとなった方の歌が流れる。

これ実話ベースでなかったら、あざとさに辟易するものになったかもしれない。この脚本そのままでも90年代に作ってたら、またはディズニーあたりが作ってたら、鼻につくものが多くてすんなり受け入れられないものに仕上がってたかもしれない。ギリギリのラインな気がする。正直ケッて感じに思ってた。結論としては優しさ溢れる良作。

と思えたのは、音楽使いすぎてないことと、力みのない演技する演者が多かったことが大きいと思う。主に対話の場面は音楽なしだった。過剰演出されてたら、過剰演技されてたら、地下鉄の場面で温かい気持ちになれなかったろうし、言葉の数々が綺麗事ないし絵空事にしか感じられず入ってこなかっただろう。

邦題とジャケットから苦手なニオイが漂ってたのでクリス・クーパー出演作といえど食指が動かずにいたやつ。彼は毎度のことながら演技してます感ないし、トム・ハンクスの妻役の人メアリーアン・プランケットさんφ(.. ) が普通にアメリカにいそうな人感で演技してます感全くなかったし、主役の妻役の人も意外とナチュラルな演技で良かった。この前に観たもののせいもあるんだろうか。
ややマカヴォイ似の主役の人は、多少の力みも役柄の表現だろう。ともすれば爆発しそうな感情を日々押し殺してギリギリ崩れないジェンガのような感じになってる人物として演じていたように思う。
トム・ハンクスは、フォレスト・ガンプぽさが滲んでた気がするが観る側の問題だろうな。

吹替入り、英語字幕入り。レンタル版は本編のみ。セル版に映像特典あり。ソニー・ピクチャーズはこのところこの仕様で廉価版出さなくなってるんだよなー。
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