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幸せへのまわり道のmizukiのレビュー・感想・評価

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
4.5
トムハンクスすご。あの役を、あんなふうに超ユーモラスに演じられるのは彼だからだろうなあ。

何もうまくいかない日々や、何がうまくいって何がうまくいってないかもわからない平坦な日々すらコメディ。それでいい、それでいいんだよ…ってなるしかなかった。
大事な人を守るために怒り続けている人がいるって言ってくれてたのも、ありがとう、って思った。怒りをそのまま怒りに変換したら、大事な人が喜ばないから、怒りが湧いたら大事な人にもっと優しくするとか、根源を見極めて一番いい結果になりそうな行動をとろうとするの、本当に大事だよね…。

「大人でもうまくいかないことを子どもにも伝えたい」って、ほんとそうだよ。子供の頃、偉そうにしてくる大人ってたくさんいた(そうじゃない人もいたけど)。でも、いざ自分が大人になってみたら、全然思い描いていた大人ではない。偉そうに振る舞って、大人っぽく見せてる人だけが、全然違う生き物に見えていただけなんだと思う。大人も子供も、同じ時を生きる人間。威厳なんかいらない。親近感の追求。目指すなら神様ではなく、寛容な人間がいいなと思う。
全員"隣人"、という意識が強かったですね。めちゃくちゃキリスト教的。ただ神頼みして生きているというより、聖書を参考に哲学形成してる感じにとても好感が持てる。(キリスト教的な考え方割と好きだし友人に信者もいるけど、聖書との向き合い方は割と様々。気が合わない人にも出会ったことがある。)

自分のアンチの方が自分のことよくわかってるって考えるのめちゃくちゃわかる…。私のこと好きな人の大半は、私のことをよく知らないから好きなんだと思う。私のことを嫌いな人の方が、私のことちゃんと見てるんだなって思うことある。私は普通にクズだよ。まあ等しく、各々オリジナルなクズだとは思うけど、人間だもの。そのクズな部分を見抜く鋭さが、アンチにはある。私みたいなキモいほどの人間好きは、人のクズな部分を見て「あなたはそういうクズなんだ!」ってより好きになっちゃうんですけどね。この世の中でうまく生きてる方がキモい。しょうがないことだけど、この世は不平等で不完全だから。
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