天豆てんまめ

108~海馬五郎の復讐と冒険~の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

3.3
残念ながら松尾スズキはウディアレンにはなれなかった。

SEXにまつわる艶笑コメディのカルト映画として『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』が燦然と輝きを放っているが、とにかくまあ途轍もなくアホらしい映画がある 笑 それくらいわかりやすいギャグの方が好き。

あとアカデミー作品賞を取った「トムジョーンズの華麗な冒険」のような、青年が性の遍歴をしつつ成長し世界を巡るといったビルドゥングスロマン映画の中年の危機パターンかもしれないが、、うーん、どうしたものか🤔

この作品はそこそこ売れた中年の劇作家が妻への復讐の為に妻のFacebook投稿にいいねした108人とSEXしようとするという身も蓋もない松尾スズキ本人戯画化設定のウディアレンパターンだが単なる妻に嫉妬してとち狂う変態中年男の成れの果てを見せられて、そこにはアイロニーもウィットも存在しない。

松尾スズキの妻に、若きコンテンポラリーダンサーの追っかけにハマる中山美穂が何ともなぁ、という姿を見せてくれ、Love Letterの彼女、アイドル時代の彼女の面影は皆無。何でこの作品に出たのだろうか。。

唯一めちゃめちゃ笑わせてくれるのは秋山菜津子さん、舞台の女王さすがです✨

最初の内は台詞が面白いのといきなりミュージカル始まる感じが楽しめたのと元妻役のLiLiCoと英語バトルが笑えたのだが、中盤から失速。ただ松尾スズキの痴態と一人芝居を観るのみだ。男の私が言うのも何だが彼の顔は正直ビジュアル厳しい。。映画向いてない気がする。愛嬌が無いからただのキモい変態にしか見えない😭ごめんなさい。ひどいこと言って。

それにしても松尾スズキはいったい何がしたかったのだろう?

ただ己のねじれた願望を表現したかったの?と揶揄してしまう。

企画プロデューサーの大人計画の長坂社長が彼に好きなことやらせ過ぎてこうなったのかな。。

同じ大人計画所属だからエンディングに星野源が主題歌歌うのだけど、もったいないような沁みるいい歌だった 笑