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盆唄のmiのレビュー・感想・評価

盆唄(2018年製作の映画)
3.5
福島とハワイを舞台にした、盆唄(盆踊り)をめぐるドキュメンタリー。
2015年から取材をはじめ、福島の復興が進んでない現状と、もう帰ることはできないと諦めの気持ちが垣間見える登場人物たち。

福島からの移民で日系人が多いハワイに、伝統を一度預けるという名目で、双葉の伝統の盆唄を伝えにいく。
福島とハワイの意外な関係を初めて知った。
流れ着いたポールが、世界が繋がっていることを象徴しているようで、感慨深かった。
にしても、ハワイの人たちのパワフルな踊り。
日本ではもうこんな光景見れないことに危機感を感じずにはいられなかった。

中盤のアニメーションが秀逸。
先祖から伝わってきたことが大切なファクターの一つであり、監督の伝えたいことが伝わってきた。

先祖も、ハワイの移民も、そしていまの避難民たちも「よそ者」として扱われている。
特に、災害により故郷を失った福島の人たちには、いつかその故郷で盆唄を響かせることを願わずにはいられなかった。

そして自分自身も故郷を想わずにはいられなかった。
不思議なドキュメンタリーだ。
狭い東京を見渡しついため息がもれた。

しかしながら、作品に関してはもう少し登場人物減らして掘ったほうがいいと感じた。
どこに軸があるのか掴みづらい。
ラストも、そのままの演奏でいってればいいものを、それ用に撮って声まで足したりしてたので、最後の最後に興ざめしてしまった。
これは非常に残念。
避難生活のはずの横山さんと今泉さんの家があまりにも豪邸だったことも、ちょっと違和感を覚えてしまった。

2019劇場鑑賞24本目
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