いわやん

空の瞳とカタツムリのいわやんのレビュー・感想・評価

空の瞳とカタツムリ(2018年製作の映画)
3.8
斎藤久志監督。

大学を卒業し、当時から「三位一体」と言われた男一人と女二人。

画家のムジカは、性に開放的な女の子で、フリーターのトモコは、まだ経験の無い潔癖症。
タカヤは、ムジカに想いを寄せるサラリーマン。

潔癖症のトモコは、唯一ムジカだけ触れ合う事が出来る、つまりムジカに好意を持って。

ムジカは、トモコに無理難題を言いバイト先まで斡旋する。

そのバイト先のポルノ映画館で、キョウイチと言う男と知り合う。

ムジカとタカヤの間で、一夜を共にした事から、「三位一体」の関係が崩れ、それぞれ抑制された「自分」が覚醒されて・・。

故相米慎二監督の弟子筋にあたる斎藤監督の作品と言うことで、相米監督の「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」「台風クラブ」のイメージを持ってましたが、まさかの「ラブホテル」のにっかつロマンポルノのテイストで。
この作品は、まさに昭和のにっかつロマンポルノで、当時若い監督達が売れる前に自身の「熱」を表現してた頃の感じを持ち合わせてます。

相米監督のイメージのワンカット長回しも、各シーンに見られて技法も楽しかったです。

女優達の扱いで、確かに上手くは無い演技で、セリフ回しもたどたどしい所もありますが、そんな所までロマンポルノの「それ」を感じさせ、私の思うことで、最初のシーンから話が進むにつれて、女優が段々と「魅力的」に見えてくるこの作品は、良作だと思いました。
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