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空の瞳とカタツムリのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

空の瞳とカタツムリ(2018年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

斎藤久志監督の三匹のカタツムリのラブな歩み



企画荒井晴彦。
タイトル相米慎二。
脚本荒井美早。
監督斎藤久志。



知ったのはわがミニシアター、シネウインドのチラシ。

何やら女性の顔2人。
タイトル「空の瞳とカタツムリ」
ん?相米慎二?タイトルなんだあ。
なんでか駆け巡る。

斎藤久志監督は、その男子痛覚を2人で共有「いたいふたり」。原一男監督から篠原監督、緒方明監督まで友情出演。いたいを共有する男の子に今や映画出演をはる西島秀俊。
 矢口史靖監督の短編「ワンピース」や井口監督の初期中編「恋する幼虫」で拝見していた女優。今や脚本家、小説家の唯野未歩子。レアビデオだったが面白くみた作品だった。ラブ痛覚コメディ。

あと記憶曖昧ですが、井口監督の短編やら8ミリ上映みたいな東京の上映会で斎藤監督の監督作品か脚本作品かなんかを東京の高架橋の下の小さな箱で見たことある遠い思い出。

園子温の初期爆発、斎藤監督脚本参加の兄弟チャリ吐息「自転車吐息」鑑賞済み。

久々の斎藤監督作品!新作見てみたい!と思い新潟の素晴らしきミニシアター、シネウインドにて午後鑑賞してまいりました。



いやあ面白かったなあ。
どこか70年代の雰囲気があるんだよなあ。
脚本の荒井美早さん、企画脚本家荒井晴彦の娘さんだった?!だから2019年に見てるけどどこかキャラクターは、70年代から80年代っぽいキャラに見える。

物語は、三角関係もの。
大学時代仲の良かった3人。普通に就職の男。
冒頭より不穏な行為から綺麗好きかつ病的に魅せるともこ。
絵や写真を撮りながらともこと同性な愛を魅せるムジカ。
3人のカタツムリのようなゆっくりジメジメした歩みと絡みを魅せていく。

今時ムジカみたいにわかりやすいほど

「性」に開放的な性格

を魅せる。のだが、こんな女性いないだろうなあ。ムジカを見ていてものすごく70年代の臭いがしたのは何だろう。荒井さんのお友達にいたのかしら。

今時、
成人映画館でセックスを求める女性
今時
成人映画館でもぎりバイトする女性
いるのかしら。まあ野暮かあ。

潔癖症の女の子のどこか変わりたいのに変わらない何か

アートを作りつつ、ともこをなんとかしたい。愛にちかい不器用さを愛するムジカ。ムジカは男を男と思っていないのか、性に開放的なムジカ。次から次へスポーツのようなセックス。失うのを取り戻すかのような創作コラージュ、写真、絵。縄田かのんがサラッと明るいのか閉じてるのか判らないが熱演している。

潔癖をせざるをえない中神円さん。とてもナイーブで繊細な切れ味で内向的なともこを演じる。

本作の縄田さん、中神さん必見。

ムジカと一線を越えたことにより三角関係が終わらせる破壊に出る男。

ともこに近づく映画館で出会う小柄な謎男。この謎男は、本作のポイントで、なかなかのキャラクターで好きだ。斎藤久志監督いや荒井魂入った体言キャラクターに見えました。
斎藤久志監督のある意味「ロマンポルノ」なんだが、とても斎藤監督らしくもどかしく、恋に素直じゃない、恋に拒否する三匹のカタツムリにもやもやしっとりした。

あと「おんぶ」させるの好きですね。神代辰巳オマージュですかね。今時おんぶしてるひと見てみたいよなあ。かなりの長時間おんぶでみていて疲れた。だからこそリアリティがあるのかもしれないけど、、。

相米監督の遺作に本作タイトル候補だったのかな?!それにしてもそのクレジットいるのかな?とも思ったけど。パンフレットに記入だけでもいいとも思うが。また相米監督遺作「風花」と本作のタッチはまるで違う。同じ恋愛映画だが、全然違う。のでタイトル協力でいるのかも?知れないが、混乱要因にならないかな?まあいいけど。
 
脚本の内容が到底テレビドラマやメジャー映画会社ではとりあげてくれなそうな「暗い」映画だ。そこが本作の良さでもある。
大手アイドル事務所や演技事務所が率先して映画化したがらない内容だ。

セックス 
芸術
コラージュ、水彩画、油絵、写真
パトロン
処女と淫乱
死と生
男と女と女
成人映画館
ネコとタチ
同性愛、LGBT
病気、皮膚病、潔癖
綺麗、汚い、けがらわしい
触りたい触れない
洗いたい汚したい 
純血、不純
サラリーマン、アルバイト
収入、芸術家 
etcいろんなキーワードが頭を悩ませるカタツムリ三匹。

本作のトライアングルを指す象徴的な物がタイトルにある「カタツムリ」

ゆっくり近づき、ぬめぬめしていて、愛あうのにひと癖ある。

要は「愛しあう」「ラブ」に苦手な不得意な恋愛映画と逆なラブ映画なのだが然るべきラストと

しかるべきラストにやっぱり冒頭「にっかつ」という文字が出てもおかしくない3人3匹のアンラブ具合。

とっても面白かったです。



さて
三匹のカタツムリ
空に互いに何を見る?

追伸
こういうタッチの恋愛映画。もう世代論に近いのかもしれない。また今のところ若者が見てリアルに感じるのか?とか見終えていろいろ考えて面白かった。
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