回想シーンでご飯3杯いける

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.0
中国の監督、ビー・ガンによる「凱里ブルース」に続く2作目。今回も中国奥地にある田舎町、凱里が舞台。久しぶりに故郷に帰った男が、古い記憶を頼りに、現実と夢の狭間をさまよう様子を、幻想的な映像で描いている。

同じ凱里でありながら、前作よりも都会っぽい印象で、どこか「ブレードランナー」のあの世界を思い起こさせる。時系列がパズルのように散りばめられ、事の経緯を追っていたつもりが、知らない間に回想シーンに移行していたり、なかなか核心に近付かせてくれない構成だ。この感覚は、デヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」を思い起こさせる。

そう言えば、ヒロインを演じるタン・ウェイの肉感的な肢体も、「マルホランド~」でのナオミ・ワッツに通じるものがある。