ノラネコの呑んで観るシネマ

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.4
フィルメックス。
同一英題のユージン・オニールの戯曲とはあんま関係ない。
映画の前半はファムファタールを探す主人公の、中国版デヴィッド・リンチっぽい幻想ハードボイルド。
後半1時間が劇中劇(?)のワンショット撮影の3D映画という珍品。
ポルノ映画館に入った主人公が3Dメガネをかけるのが合図で、観客も一斉にメガネオン。
まるで迷宮を彷徨う様な後半は、前半出てきた様々なモチーフが虚構の夢として回収されてゆく。
かなり暗くて見難い部分もあるが、未見性もあり結構面白かった。
この後半こそ本作の核心で、要はこれがやってみたかった!って映画。
問題は1時間15分もある前半、というか前振り部分だ。
ぶっちゃけ、はなっから分からせようと作ってないのだが、時系列がぶった切られている上に、意味不明な映像が頻繁に挟まれる。
後半まで来ると、一応前半描かれたことには意味を持たせているし、前半もカメラアングルとかはユニークなことやってる。
こちらを混乱させる意図もあるのだろうが、ちょっと冗長で辛かった。
3D始まる前に退席しちゃったお客さんもいたし、バランス的にももう少し短くても良かったのでは。