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お嬢ちゃんのlpのレビュー・感想・評価

お嬢ちゃん(2018年製作の映画)
4.5
監督前作の『枝葉のこと』はあまり刺さらなかったけど、今作は見事に刺さった!平凡な日常にある鬱屈とした想いや怒りが、主人公からヒシヒシと伝わってくる。二ノ宮監督の演出も冴え渡り、冒頭のロングショットから一気に惹き込まれた。そして、主演の萩原みのりが最高に素晴らしい!『ハローグッバイ』も「今しか撮れない!」ってタイミングの作品だったけど、今作もまた大人への階段を昇る途上の20代前半という「今しかない!」なタイミングで撮られた映画だった。これだけタイミングに恵まれていると、巧く女優の階段を昇っているように感じる。

個人的な白眉は、主人公のバイト先で繰り広げられる下品な会話劇。「この人、よくこんなに偉そうに言えるな」と思うのだけど、後に批評した時点で自分も同類だとカウンターパンチを喰らってしまう凄いシーンだった。でも、こんな醜悪さも含めて人間だと肯定する映画なので、なお凄い。

主人公が抱える諸々の感情や考えは、観ていて何処かガキっぽくも映るのだけど、今の自分と比べた時に「会社」という社会との接点が自分に無ければ、正直あんまり大差無く感じられて見事にブッ刺さった!
今年の日本映画ベスト10入りは濃厚!
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