Yui

キングスマン:ファースト・エージェントのYuiのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

マシューボーンは鬼なので今回もいろいろと感情ぐちゃぐちゃになるドSな仕掛けをぶつけてくるんだろうなと覚悟してたけど…今回はそう来たかという感じ!そして彼はやっぱり鬼でした。

過去作までのポップで愉快な作風は抑えめで、史実と虚構を混ぜ込んだシリアスで重み深みのあるキングスマンになっていた。過去作までのあのいい意味でヘラヘラした感じを期待した人はかなり肩透かしを食らうし、残念に思う人がいるのもわかる。でも始まりを語るのにあのシリアスさは必然だったと思うし、この物語を知るとより過去作への思い入れも強まるので最初は受け入れにくいと感じたところも納得できた。

近代史を交えて描かれているからかなり脚本も練っただろうし、今までのキングスマンの中で1番制作大変だったのでは…という印象。キングスマンメンバー以外はほぼ全員実在の人物で「ワンスアポンアタイムインハリウッド」のような大胆さを感じる。公開が延期されていなければワンハリと同じ2019年公開なので、歴史改変ものが2作も並んだという事か…。2019年は特に豊作の年だったから、そこに今作が並ぶ可能性があったと思うとなんだかいろいろと考えてしまう。

過去作よりシリアスだった事もあって作品全体の緊張感もかなり増していて、手汗が止まらないヒヤヒヤするシーンが多かった。戦場のシーンはハラハラが止まらなかったし、それであの結末だったから本当にショックだった。だってコンラッドはエグジーポジションに就くと思っていたから…(涙) マシューボーンが平気で身内を殺す事を改めて再確認…。

ラスプーチン本当に最高のキャラだった。これぞキングスマンのヴィラン!下品なのに謎の優雅さもあって最高に不気味で、バレエダンスのようなあの戦い方も100点!そんな完璧な彼を中盤に殺してミスリードに使うマシューボーンほんと鬼。いいキャラを容赦なく殺すんだから…。

正直黒幕はキッチナー殺害の時点で気づいてしまったし、ラスプーチンが良すぎてインパクトに欠けると思ってしまった。マシューグードは喚いたりしない無表情で淡々と人を殺すサイコパスみが強い役の方がいいな…と個人的には思った。そこだけ自分好みじゃなかった!

過去作のメロディがオープニングと共に流れたり、セルフオマージュがあったりと現キングスマンとの繋がりを感じるシーンはやっぱり激アツ。キングスマンの沼からますます出られなくされた131分だった。続編も楽しみだし、更にエグジーとハリーの物語へどう繋がっていくかも楽しみ!!
Yui

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