ボギーパパ

キングスマン:ファースト・エージェントのボギーパパのレビュー・感想・評価

3.8
2022-01 流山TC

明けましておめでとうございます。
本年も100作品劇場での鑑賞目指して楽しみます。
拙い作品備忘録ですがお付き合い頂く皆様、何卒よろしくお願い申し上げます。


さて、本作。
実は1作目は鑑賞、 2作目は未鑑賞ながらも敢えてオリジンストーリーということのみ信じて、期待して2022年ファーストコンタクト。

1作目は騎士道、英国紳士道を軸にしたスパイアクションエンターテインメント。「マナーが人を作る」と言うキーワードでの新人育成物語。

その背景・起源に興味があったが、流石マシュー・ヴォーン。そのオリジンを史実を縦軸に、エンタメを横軸に一大絵巻物として仕上げて来たかと膝を打った。
縦軸の第一次世界大戦前からの史実はわりと丁寧に説明されているし、その史実にオックスフォード家という横糸を差し込むとこによるエンタメ性が高まっている(『1917』や『彼らは生きていた』をはじめとする他の作品での英軍の様子などを観ていれば更に厚みは増します。一部の兵隊があまりにも若いんだよなぁ・・・)。

本作の横軸をなすオックスフォード家のストーリーが冒頭に配置され、その後の展開を観る側に印象づける。オックスフォード公の立ち位置、コンラッドの母を襲う不幸。コンラッドのその後の成長とテンポよく展開。ふむふむと物語に入り込める。キングスマン・エージェントの創立に加えて、親子愛、主従の信頼と愛がしっかり楽しめる仕上がり。

さてそこから英王室に恨みを持つ影のフィクサー「羊飼い」一味への展開。予告編でもしばしば見たが、ラスプーチンが異彩を放つ!コサックダンスを取り入れた殺陣は見どころ十分。素晴らしい!
※自分は本作のラスボス的存在がラスプーチンだと思っていたので、いい意味で裏切られたわけだが、今作の殺陣全体的に見ても素晴らしい。魅せられた!
騎士道と武士道、相い通ずるところが殺陣の素晴らしさから浮かび、本邦の時代劇的な美しさが醸し出されていました。

また、キングスマンの情報網、これが凄い!なるほどねーこういう描写が作品に厚みを持たせるのですね。

正直、 2作目の評判が芳しくなかったもので躊躇していたのですが劇場で観て良かったと素直に思わせてくれる良い作品でした。

追記:エンドロール及び劇伴で用いられるチャイコフスキー「1812」序曲のアレンジがとても印象的でありました。
また、「左」の方は面影が認められるけれど、対立軸の「右」の方はどうにも・・・むしろ左の方の後継者かと思いました。
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