るるびっち

キングスマン:ファースト・エージェントのるるびっちのレビュー・感想・評価

3.8
日本でやるなら、キモノマンか呉服マン?
シールド付き番傘、電磁鞭の兵児帯、リモコン下駄(あれ?)etc
日本にだって長い歴史と伝統があるのだ。
しかし、今の高校生は忠臣蔵も知らない。
これではキモノマンはやれない。
デフレ日本で一番しっくりくるのは、安さのファションセンター『しまむらマン』か『GUマン』だろう。
ユニクロさえ高級になってしまった庶民には、しまむらしかない。

パンツ300円
シャツ500円
トレーナー1000円
ジャンパー1900円
ズボン980円
靴2400円
と、一式一万円でおつりがくる『しまむらマン』こそ、今の日本にピッタリな有難いヒーローだ。
とほほな程、貧しい国に成り下がったものである。
格式・伝統は遠い記憶。
激安ヒーロー『しまむらマン』こそ相応しい。

日夜、価格破壊のために『しまむらマン』は闘うのだ。
物価上昇を狙う悪の組織を撃退して、貧民の財布に優しい『しまむらマン』。
ちょっと掴み合いになれば、伸び伸びになる袖口。
一度洗濯したら、ゆるゆるの首回り。
油断したら色落ちする衣類。
オーダメイドのキングスマンとは、ほど遠いスタイルの悪さ。
さすが『しまむらマン』、開いた口が塞がらない。
『しまむらマン』も『吉野家マン』も彼らのお陰で、庶民は生き延びた。
しかし、賃金が上がらない原因でもある。
賃金を上げなくても生きていけるんだろう、と政府も資本家も高を括っている。
庶民の味方が庶民の首を絞めてもいるのだ。
デフレの永久機関。
日本の人々が『しまむらマン』を脱ぎ捨てて、オーダーメイドの高級『キングスマン』を着こなす日はいつの日か?
それは国民のプライドに掛かっている。
(最近、映画と全く関係ないネタでお茶を濁している)
るるびっち

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