眠いのに寝られない、これはツライ…。
ツラさを追体験するほどリアルでした。パチーノさんのいつものオーバーな演技は無く、衣装も初日の白シャツが段々とダークになって主人公の心理を表していて巧いなあ。
二人が微妙な共犯関係になっていく後半は、主人公のあやふやになりつつあるモラルとの葛藤がパチーノさんの好演もあり心理スリラーとして見応えがありました。相棒の刑事も悪徳ではないけどクリーンでもない、ましてや主人公も何故、撃ってしまったのかも分からない、いわゆるグレーな人間の闇をキチンと描いているからこそ、秀逸なサスペンスになったのでしょう。
ロビンさんが冷静に一線を越える役は意外でしたが、冷静さを装いながらも浅薄なキャラクターを怪演。コメディやユーモラスな役も良いけど、こういう病んだ役もイケます。
世の中、白か黒かだけではない部分を描いたノーラン監督の手腕は見事!