中3娘の塾の送り迎えの間の暇潰しでTSUTAYAお宝探しの旅へ。探して探してあったあった、ノーランの初期作品。
太陽が沈まない白夜のお話。
アラスカの田舎町ナイトミュートで、17歳の少女が殺害される事件が発生し、ロス市警からドーマー刑事(アル・パチーノ)とその相棒が派遣される。夜が訪れない町で、ドーマーは不眠症に悩まされながら犯人と対峙する事に—— 。
アル・パチーノの圧倒的な演技力よ。
その道のヴェテランとしての、言葉の重みと眼光の鋭さ。そのキャリアとリンクして、キャラクターに深みと重みを与える事が出来るのは、彼ならでは。
冒頭は確固とした理念を有する模範的な刑事を生き生きと演じるものの、次第に白夜に心を蝕まれていく、堕ちていく演技が実に上手い。
睡眠不足による集中力の低下、
幻覚、ふらつき、次第に話す言葉も
覚束なくなっていく…。
その過程を見事に演じるアル・パチーノから目が離せない。
そしてそして…。
アル・パチーノとロビン・ウィリアムズの共演だなんて。
ぬはーーーーーー!!
こっちが眠れまへんがな。
ロビン・ウィリアムズの悪役というのもまた珍しい。
劇中のフックとなるのは、うっかり同僚に向け誤射してしまい、殺してしまうというドーマーの罪。
その自責の念と睡眠不足が
彼の判断力を鈍らせる。
川に敷き詰められた丸太の上での逃走劇。うっかり足を滑らせ、川の中に落ちてしまうドーマー。年配の俳優2人のチェイスシーンとか、体力面が心配でハラハラ。
若きヒラリー・スワンクも出演。
クセのある顔面だけど、
役としてはまだキャリアが浅く、
クセのない実直真面目キャラ。
両雄に囲まれながも、存在感はバッチリ。
いわゆるノーランらしいトリッキーさは弱いものの、惹きつける何かは確かに在る。同名映画のリメイクでもあるので、ノーランらしさが希薄なのも仕方がないか。
TSUTAYA探索で発掘したのは5作品。
今日から5日間は配信ではお目にかかれなくなったお宝レビューが続きます。