ノーランらしさ全開の作品。いくつもの伏線を貼りまくった仕掛けは毎度唸らされる。
自分の弱みも握られているから犯人は最初から分かっていても逮捕できずに、いきなりこんな展開から始まる作品なんて見たことがなかったためどのシーンも見応え抜群。
大抵「だれか殺される」→「天才刑事が推理する」→「最後の最後に紆余曲折ありながらも逮捕できてハッピーエンド」なんてものが大半かと思うが、本作は決してそうではない。主人公である警察側も人を殺してしまう面白さがたまらないのだ。
タイトルの「インソムニア」とは英語で不眠症を意味するらしい。自分も不眠症を患っていたが、そりゃ自分が誤って人を殺してしまったりすると5日、6日寝られないなんて当たり前だろうなあと。
最後まで嘘を隠し通すことはできない恐怖感とドキドキ感、そして見たことのないタイプのサスペンスを味わいたい人におすすめ。