TaiRa

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒のTaiRaのレビュー・感想・評価

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相変わらずライカのストップモーションは凄いんだけど、もうその辺の技術的な志向はよく分かんない。人形である事の意味とか。

ライカで一番好きなのがクリス・バトラーの『パラノーマン』なので、ストーリーにも多少期待してたけど、今回はシンプルな一直線ストーリーで印象は軽い。軽さが良い気もするけど。オープニングのネッシー戦なんかは、巨大生物モノとしてもめちゃくちゃ良く出来てて最高。水上で巨大生物に襲われる怖さとかちゃんと出てる。主人公が名誉の為に(というか空虚な権威に認められる為に)ビッグフットの存在を証明しようとする。だけどビッグフットを見つけ出して早々、彼をイエティのいるコミュニティに送り届ける冒険に出る。主人公の目的が早い段階でコロッと変わっちゃうのも軽さを感じる所以。世界の果まで追っかけてくる殺し屋とのドタバタ活劇は面白く、特に貨物船内で重力方向が変わりまくる追走劇は楽しい。主人公とビッグフットの関係がバディに成り切らず、割と冷めてる。ロードムービー的に二人の関係が段々変わって行くという感じではない。あまりウェットにしたくなかったからかも。基本的に、その場その場のアクションが最優先される。そういう意味ではコンビ物のスラップスティック映画に近いのかな。即物的というか。終盤の「落ちる」前提の氷の橋とか、やはり悪役は落下してなんぼというオーセンティックさがとても好み。ある意味、疑似家族映画でもあって、父が子供と向き合えるかという話にもなってた。
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