nao

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのnaoのレビュー・感想・評価

4.0
この時期、アカデミー受賞作に集中してるからか、朝イチだからか、かなり!空いてる映画館にて。

ストーリーは、ロードムービーではよくある感じの、ひょんなことから出逢った 境遇や性格がまるで違う ちぐはぐな二人が 片っぽの望んでるどこかを目指す、というものだ。今回は途中から もう一人、また違うタイプが加わる。

まずは序盤、
国民性の違いなのか、暖かな気候のせいなのか、登場人物にあまり多くを語らせないせいなのか、
観始めてしばらくは、仕事や人に対する接し方、考え方なども含めて、主人公たちになかなか共感がもてなかった。
けど、二人の心がだんだんと近づくにつれて、その旅を見守りたくなってくる。
アメリカのロードムービーにしては珍しく?、車ではなく河を移動するのがいい。景色も美しい。音楽もいい。
ダウン症のザックが 純粋にプロレスラーになることを夢みて、それについて タイラーが助言したり 応援したりするなかで、ポツリと心に残ることを言ったりする。
ダウン症の彼に語ることは 本心からの言葉と思われ 地味にじんとくる。

感情移入や 全体的なストーリーの展開としては、少しだけ うすいような印象をもったけど、実はグッとくるのは、こんなものなのではないかなぁと思う。
ドンパチやるのも、危機一髪なのも、主人公が正義をもつのも もちろんよいけど、
人生についてなんとなく考えるのも、ドラマチックではなく 恋に堕ちるのも、(のどかな雰囲気でゆったりと河をくだるのはロマンチックだ!) 全然ありありなのだ。
終盤はきちんとまとめてくるし、
徐々に心が満たされてくる作品だった。

三人目に加わる エレノア役のダコタ・ジョンソンが すごく綺麗!
施設の同部屋のおじいちゃんや 元悪役プロレスラーなど、脇がいちいち味があってよかった。

ザ・ピーナッツバター ファルコン?
観る前はどんな?って思ってたけど、納得の題名だ。
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