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ザ・ピーナッツバター・ファルコンのjamのレビュー・感想・評価

3.8
男の子の映画だな…
自由を求めた、ハックルベリーフィンとジムの道行きのような


ダウン症のザックがそれまで暮らしていた老人養護施設を脱走することから物語が始まる
ボディソープでツルッと外に出たその様子は、
まるで再びこの世に生まれ落ちたかのようで

憧れはプロレスラー
ソルトウォーター・レッドスネイクの学校へ

旅の相棒は漁師のタイラー
訳ありの追われる身だけれど頼りになりそう…

お尋ね者どうし、無法者コンビの旅のルールに胸が高鳴る


人は生まれた時点 魂の時点で
悪玉か善玉か決まっている
お前は善玉だから、悪玉プロレスラーにはなれない…
ヒーローになるんだ

…そうして
レスラー"ピーナツバターファルコン"は誕生する…

タイラーとのデコボコ道中
小さな奇跡が集まって…


ザックを追ってきたエレノア
はじめは職務のため、彼を連れ戻すため

"私は最善を尽くしている"

けれど
ザックを特別扱いしないタイラーと過ごすうちに、
彼女にも内なる変化が。

…ここでもまた。

彼らは何かひとつかふたつ、
私たちよりもできないことがあるけれど。
同じ人間なんだ…

ザックがダウン症であることなど、瑣末なこと。
タイラーの心を縛っていた兄の影も。

エンディング曲が映画の世界にぴったりと寄り添っていて

"きっとここがぼくの家"
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