TaiRa

ザ・ライダーのTaiRaのレビュー・感想・評価

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
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ドキュメント・ドラマの現代西部劇というより馬ドラマとして観た。馬がかわいい。

実在の人物に当人を演じさせるのは、それこそフラハティからイーストウッドまで長い歴史があるので特筆すべき事もないかな。もちろんその手法が持つ利点も上手く取り入れてるし、素人に自然体を演じさせるのも大変な事だろうけど。ノンフィクションとフィクションの割合は主人公の彼曰く7:3くらいらしい。実質、キレイなドキュメンタリーとも言える。やはり面白いのはドキュメント部分で主人公が荒馬を手懐ける一連の場面は、純粋に感心した。馬を描く際の切り取り方も丁寧で、編集によって馬の感情を描いてるのも馬好きとしては良かった。愛馬との別れの切ないカットバックなんか特に。素人俳優を使って映画を作れるということは動物からも名演を引き出せるということ。改めて映画における芝居の無意味性を感じたり。ジャオ本人も編集が一番好きな作業と言っていた。ホンモノの強さという意味では、主人公の兄貴分だったブルライダーの現在が印象的。事故によって身体の動かなくなった彼と対象的に、動画の中で楽しげにはしゃぐ過去の姿。残酷であり悲しい。あの動画は実際にYouTubeで観られるので映画とセットで観て欲しい。レイジの曲に合わせて決め顔する姿が最高にダサくてかわいい。
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