TakahiroImai

ザ・ライダーのTakahiroImaiのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

MCUの「エターナルズ」があまりに良かったので、クロエ・ジャオ監督の過去作「ザ・ライダー」を観た。事故によりカウボーイという男性性優位の社会で、マッチョでいられなくなった人の物語。自己のアイデンティティを喪った人が、淡々と日々を過ごす(それも地に足ついた生活を営む)姿に感動する。


マッチョな世界だからといって、繊細さや弱者に寄り添う気持ちがないわけじゃない。それぞれ傷つき、癒し合いながら暮らしている。ある種の達成がなければ苦しい人生かもしれない(それは映画としても)。それでも、そうした暮らしは確かにあるし、それを映した映画がある。それってすごい事だと思う。


主人公ブレイディの妹が歌う「惑星と月と星の輝き」のように、遥か宇宙からみたら、彼らの暮らしはとても小さい。遥か遠い惑星やカメラに映される広大な草原が、その大きさ故に尊く感じるのと同じように、彼らの小さな生の営みも等しく、尊く感じる。

そしてこれが、実話ベースであり、本人たちが演じているということに、驚く。
すごい映画だった。
TakahiroImai

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