【ひとこと説明】
頭を怪我したカウボーイをドキュメンタリータッチで描く、クロエジャオ監督らしい映画。ノマドランドと同じくキャストはロケ地に住んでいた非俳優を起用している。
オバマ元大統領の2018年フェイバリットムービーの一つ
【感想と考察】
ノマドランドと同じく、極端にリアリティを追求した”9割ドキュメンタリー映画”で、ドラマもそうだけど描写の凄さに圧倒される。
非俳優のキャスト達が凄く良い。実際にあった辛い経験を、自分自身を演じることで癒すことにつながっているのだろう…。
焚き火を囲んでロデオの失敗談を語る場面は、ノマドランドと全く同じ撮影の仕方だった。暗闇で火を見ると、心のうちを語りやすいのかもしれない。皆がいい顔で正直になってるよね。
レインの武勇伝を散々語った後に、現在のレインの姿を見るとすごく辛い。実際に頭部を怪我した同名の人物を起用しているらしい。レインのシーンはあまりにもリアルで(というか本物)、胸が苦しくなるところも多かった。リハビリとか。ブレディも打ちどころが悪ければ、レインの様になっていたかもしれない。
あと、景色が本当に美しい。広大な地平線に人物と馬のシルエット。マジックアワーを好んだ撮影など、他作でも魅力的だけど今回もそれは健在だった。