【第41回アカデミー賞 助演男優賞他全7部門ノミネート】
実在したブロードウェイの伝説的スター、ガートルード・ローレンスの半生を映画化した作品。ロバート・ワイズ監督✕ジュリー・アンドリュースということで『サウンド・オブ・ミュージック』再びというのを狙ったのだろう。
アカデミー賞ではローレンスの生涯の友であり作曲家のノエル・カワードを演じたダニエル・マッセイが助演男優賞に、撮影賞、歌曲賞など7部門にノミネートされたがいずれも受賞はならなかった。
まずはジュリー・アンドリュースは素晴らしい。ただ『サウンド・オブ・ミュージック』から4年しか経っていないのにかなり老け込んでみえるのはどういうことか。伸びやかな歌声とコメディエンヌとしての舞台パフォーマンスはやはり素晴らしく、稀代のパフォーマーの名に恥じない魅力をみせてくれる。
ミュージカルシーンはコミカルな歌、しっとりと歌い上げるシーン、豪華なセットで盛大に盛り上げる歌とバラエティに富んでおり飽きることはない。ロバート・ワイズの演出も冴えとても楽しめる。
劇中映画という形をとった語り口もなかなかよく、伝記映画と実際とのギャップを描いたりと効果的だと思う。
ただ3時間かけるほどの話?というのは思うところ。ローレンスはスターになってからはほとんど失敗しないし、悩んでるのは私生活の方。その私生活の方にしたって子供が懐いてくれないというのは中途半端に終わっていると思うし、次々といい男にアプローチされてどうしようーという話だったりして「はぁ、いいご身分ですね」としか…
まあただ絶え間なく挟み込まれるミュージカルシーンが素晴らしいので、飽きずにジュリー・アンドリュースの魅力を堪能することはできるかな。