回想シーンでご飯3杯いける

コールドプレイ:ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.6
amazonオリジナル作品の連続レビューも、15本目の本作で一旦終了。ラストのレビューには、イギリス出身で今や世界的な人気を誇るロックバンド、コールドプレイのドキュメンタリーを選んだ。

数万人規模のライヴ映像に圧倒されると同時に、デビュー前を含めて古い映像が大量に出てくる事に驚かされる。彼らが活動を始めたのは'90年代中盤。まだまだホームビデオが一般的な時代ではないはずなのに、学生バンド時代の映像も結構出てくる。

全編を通じて印象的なのは、向上心の塊のようなメンバーの姿。この手の音楽ドキュメンタリーではメンバーの自画自賛や、関係者のヨイショ発言満載になる場合が多いのだが、本作では自分達の立ち位置を謙虚に見据えつつ、そこら成長のステップを見極めていくメンバーの様子が淡々と映し出されていく。

デビュー前の映像が多く残っているのも「僕達は努力を重ねる事でいずれ有名になるだろう」という彼らの堅実なビジョンを証明しているのだと思う。「僕達はあと4年で世界的な注目を集める」という初期の発言映像から、4年後のグラストンベリー・フェスティバルで大観衆から喝采を浴びる様子に切り替わる展開に鳥肌が立った。まさに有言実行。

わずかな例外を除いて、CM等でのタイアップを断るスタンスを保っている彼らは、現代に於いて貴重な音楽主義型のロックバンドである。このドキュメンタリーでの謙虚で飾らない姿を見て、何とも清々しい気持ちになった。

明日からはamazonプライムで配信されている一般作品のレビューをアップする予定。