猫マッチョ

ダウン・イン・ザ・バレーの猫マッチョのレビュー・感想・評価

ダウン・イン・ザ・バレー(2005年製作の映画)
5.0
2022年度お気に入り底上げ名作映画

ダメ男の見本市。人間が怖い映画の上位。
どいつもこいつもサイコパスな野郎しか出てこないホラー映画。

ダメおとこ第四位 ショットガンを持ってきた爺さん
勝手に馬に乗ったカウボーイの方が悪いが、初見でショットガン持ってきて追っ払う必要があるか?日本でいえば庭にブランコがあって勝手に大人が遊んでたら中華包丁を持って家の主人が出てくるようなもの。
そんな大悪事をしたわけでないのに、舐められないようにビックパフォーマンスするクソ男だ。

ダメおとこ第三位 女子高生のお父さん
映画全体を観れば娘を守る理想的なパパに見えるが、奥さんが死んだからといって飲み屋のねーちゃんを自宅に呼んでパコパコするのはいかがなものか?モーテル、日本でいうラブホテルに行けよ。年頃の娘もいるのに。だから女子高生にも煙たがられるわ。
自分がやりたいことを優先する!って信念も大事だし、だからこそ本当に娘を大事にしているのが伝わるが、自宅で好き勝手されたら女子高生も家に帰るのを嫌がるわ。家族の家であって、お父さんの家じゃないんだから。

ダメおとこ第二位 カウボーイ
自分の思い描いた世界が現実であって、空想と現実の区別がつかない夢想家のカウボーイ。お気に入りのサイコパスアクションは、女子高生と家出をしようと話して金の工面に自宅へ帰るところ。

なぜ、礼拝堂にいる父親と話して金をもらわなかったのか?
なぜ、母親(もしくは再婚相手)にウソを言って金の工面をしなかったのか?
なぜ、自宅なのに勝手口から侵入して金品を盗んで現金の工面をしたのか?銀行通帳とかあるのに。
なぜ、自宅の写真立てを伏せる必要があったのか?
答えは、その場所は自宅で無いから。

自宅ではない家を、見ず知らずの他人が住んでいる家を勝手に自宅と思い込んで金の工面をした。だからこそカウボーイの思い込みは絶対であって、現実が違っていても、それは現実の方が間違いなのだ。だからこそ女子高生が家出を拒否した時に撃ったのだろう。自分の思い描いた女子高生の反応とは違っていたから拒否するために女子高生と現実に風穴を開けたのだ。

ダメおとこ第一位 女子高生の弟
年齢ということを差し引いてもクソ男。言わばコウモリくん。お父さんが何か言えばお父さんの味方、カウボーイが何か言えばカウボーイの味方になる。自分の意見を持たないで大樹に寄りかかるだけの生活をしている。女子高生、お父さん、カウボーイの誰かに寄りかからなければ生きていない坊や。ただ、これからの成長でマシな男になるかもしれない。
誰が正しいのではないが、男はダメ男だろうが聖職者だろうが選択と決断しなければいけない。ダメおとこ四位~二位までの男はダメおとこの自信を持って生きているからまだマシなのだ。おどおどしてるだけで周りが解決してくれるのを待つだけの男ってのは一番のダメ男なんだ。
猫マッチョ

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