NinaSinnerman

ジョン・レグイザモのサルでもわかる中南米の歴史のNinaSinnermanのレビュー・感想・評価

4.2
レグイザモ。
日本で公式に注目を浴びたことはないだろうけれど、私はずっと大好きな役者。

スタンドアップコメディアン出身なことも、アメリカでのスタンドアップコメディアンの意義や地位も、知ってはいたけれどちゃんと観たのは初めて。
そもそも字幕付きでフルで観れる機会はあまりない。

NETFLIXでたまたま見つけたので飛びつくように観たけれど、私は私の感性に感謝した(笑)
レグイザモが好きな理由はカメラ越しにもヒシヒシと伝わるアグレッシブなのにナチュラルな個性と、滲み出る育ちのワルさ、そしてこれまた相反するようで紛いようのない聡明さ。
あたしは間違ってなかった!(笑)

この舞台、ラティーノアメリカンだから、は勿論わかる。
多分トランプの"壁"に立ち向かいたくなるタイミングだったろうこともわかる。
あまりスポットライトの当たることのないテーマだから、というのもわかる。
その意義も日本人であっても理解できる。

でも何よりも、この役者っぷり、そのエネルギー(体力もそうだけど知性すらエネルギーだ)、モチベーション、プロフェッショナリティ=完成度。
下品にコト欠いて余りあるユーモア。
それがラティーノならでは、それもアメリカンゲットーオリジンな、パッション溢れさせながらも至適なリズム感で展開される。(日本語で書くとどうにもカタカナばっかにするしかなくて気持ち悪い!It was all miraculously grooved with Hispanic-ghetto originated hip and funky, passionate rhythm and rhyming!)
それは哲学でもあって、故には人間に成し得る最難度のアートのひとつだと思う。

見るだけ観て、言外に届いたのは意外にも当然に「愛」だった。
すげーわ、このヒト。
レグイザモ好きに深みが増してリスペクトに昇華されました。

懐深く知的エンタメを楽しめる方には心からオススメします!
NinaSinnerman

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