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アンカット・ダイヤモンドのmotoyAliveのレビュー・感想・評価

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)
4.1
“ハイリスクノーリターン”
A24×Netflix配給。金に取り憑かれた宝石商の末路を描くクライム・ドラマ。

《あらすじ》
2012年のニューヨークが舞台。宝石商のハワード・ラトナー(アダム・サンドラー)はギャンブル中毒のため多額の借金を抱えている中、エチオピアから仕入れた100万ドルの価値があると言われるブラックオパールを使い、一世一代の大博打に打って出ることになるが…。

《感想》
主人公ハワードがとにかくクズ。人から借りたものでも平気で質に入れ、その金でギャンブルをしては失敗し、借金をどんどん増やし続け、最終的には必ず誰かと揉めるというループを劇中休みなく続けるので、ひたすらストレスの溜まる展開。

こんな後先考えない暴走するクズに感情移入など出来る訳もなく、序盤で脱落しかけてしまったが、テンポが良く止むことのない会話の応酬とアダム・サンドラー演じるハワードのどことなく憎めないキャラクターにどんどん惹き込まれていき、最終的にはクセになってしまうという不思議な作品。

特にラストのNBAの勝敗予想をする博打の場面は手に汗握る緊迫した展開になっていて、画面から目が離せなかった。

今は現役を引退したNBAのトップスターKGことケヴィン・ガーネットや人気R&B歌手The Weekndといった実際のスターが本人役として登場しており、セレブの裏側を見せられているようなリアリティの増すキャスティングもこの映画にのめり込ませる一因だった。

好き嫌いのハッキリ分かれる作品ではあると思うが、常軌を逸したギャンブル中毒の末路が最後まで気になってしまう作品。

《備考》
邦題にもあるダイヤモンドは作中出てこなく、原題は宝石という意味のジェム。分かりやすくするためにダイヤモンドにしたのか分からないが、謎の邦題。
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