壁ドン青春マンガを原作とした壁ドン青春映画のイケメン主人公が、突如「壁ドンってなんですか、胸キュンってなんなんですか！」とキレだし、「原作には…」と宥められるも「何が原作だオリジナリティはないのか」とさらに暴れまわったうえに撮影現場を飛び出し、全ての厄介ごとを押し付けられることが仕事の助監督は自身が陰で糞味噌に貶されていることを知り、いつか監督することを夢見て書き進めていたホラー映画『ゴーストマスター』の脚本を手に涙する、そんな出会ってはいけないふたりが出会ってしまったとき、『ゴーストマスター』の脚本から産まれた悪魔がイケメン主人公に乗り移り恐怖と災厄の権化となって愚かな映画製作者たちを殺してまわるお話
とりあえず教室を飛び出したイケメン主人公が、両の手のひらを血まみれにしながら壁に向かって壁ドンの練習をしていたシーンは最高でした
その後も死んだ人が死ぬシーンこそ素晴らしかったですし、主人公の三浦貴大や成海璃子をはじめ登場人物たちも十分によかったのですが、どうにも期待の壁は超えられず仕舞いだった気がします
映画撮影におけるブラックな現場あるあるや文句を言う気もなくなってしまった人たち、そしてそれでも映画を作らずにいられない人たちの悲哀といった部分を、微妙なコメディで流さずに描いてくれたらよかったなあとは思います
