ダイナ

ディープ・ブルーのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

海洋医学研究施設アクアティカを舞台に研究対象のサメ達が人間に牙を剥く1999年公開アメリカアクションスリラーサメ映画。脇役の魅力がハンパない作品でした。

知恵をつけたサメの狡猾さというか底意地の悪い攻撃がスリル満点です。アルツハイマー病の治療薬開発にサメの脳細胞が効果的という研究より、遺伝子操作でサメの脳を大きくすることでタンパク質の充分な採取しようという企みが悪夢の始まり。最初の犠牲者ジムがヘリで担架回収されている画からして「これはサメに食いつかれて引き摺り込まれるなあ」と予想していましたら、担架を咥え引っ張られて施設にぶち込まれて崩壊させるという狡猾さ。その後体当たりすればいいものをわざわざジムをガラスにぶつけてくるという非道さ。中盤女性メンバが食われる時もわざわざ咥えた状態で海中から飛び出して見せびらかしてくるという、知能が上がったサメ達に恐怖演出家の才能が芽生えてます。

そして脇役の魅力が良い!リーダー感出してあっさり食われるサミュエル・L・ジャクソン演じる社長も良いんですが、なんと言っても専属コックの存在がすごい好きです。ペットのオウムと戯れあって軽口な独り言呟いていて、重要ではない三枚目ポジションかと思ったらこいつが面白くて滅茶苦茶頼りになるほどかっこいい。オウムがサメに食われてしまって(コックが伸ばした腕ごと食われそうな不安感怖かったです)その後オーブンレンジに閉じ込められて、脱出した後で「バードの敵だ」って言って撃退するシーンはもう展開のハラハラ感と雄姿どちらも最高すぎる!単独行動であったりビデオレター撮ったり(ここでオムレツ作りのアドバイスする振る舞いも好き)と死亡フラグのようなことをしているのにそれを跳ね除けて主人公達を助ける姿はもう影の主人公と言っても過言じゃないでしょう。サメに齧られた時はやっぱり死ぬのか……と残念でしたが十字架突きで生還するバイタリティ。こいつは個人的MVPです。コックこそが登場人物達を食らっているのではないかと思うほど活躍してました。前向きというか絶望的状況で軽口叩く存在はスリラー作品では輝いて見えますね。

他の登場人物に関しては特筆することは余り無いですが、スーザン博士に関しては水着がセクシーだったです。クライマックスでカーターに「バッテリー担当頼む」って言われたのに、「私が引きつけるわ」って言って飛び込んだのは思わず「バッテリーの話聞いてた!?」と突っ込みたくなりましたが、手すりが脆くなかったら間に合ったっぽいですかね。コックがここもカバーしてくれてケリまでつけてくれるとは誰が予想できようか。

不穏な感じ匂わせるも普通に綺麗に終わるというラスト。カーターも主役行動とってましたがコックの印象が強かったです。脇役の重要性というものをとても学べた気がします。
ダイナ

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