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ブルーアワーにぶっ飛ばすのoden8のレビュー・感想・評価

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
3.8
あなたはお元気ですか?

明け方だか夕方だか分からない時間。ブルーアワー。若くもなく、かと言って年老いてもいない。30〜40歳ぐらい。それは人生のブルーアワーなのかなん?
大人の様で大人になりきれていない。かと言って若者の様なキッラキラした輝きがあるかというとそれも微妙。あれ?何だぁ?この燻ぶりと荒んだ感じは〜。なんか観るモノ全てが暗いんですけろ〜。

その感じを、夏帆ちゃんの荒みきった演技が絶妙に。知らない間にすっかりしっかり女優さんになられてて驚き。言葉遣いの汚なさとキュートなお顔立ちのギャップが癖になるのよねん。

人生には、朝か夜かも分からない合間の曖昧な時間に…急に息苦しくなる瞬間や時間がある。若い頃なら、ただ突っ走る。歳を重ねた人は噛み締めドンと開き直るのかな。
だったら、僕や主人公の様なブルーアワーな人は?結構、無様に不細工に藻掻くよねん。だってモヤモヤを掻き分けてもかき消そうとしても、エンドレスでモヤモヤなんだもんよ。藻掻き疲れて、ふと…す〜っと何かが訳も分からず消化できる瞬間がくるのん。その瞬間がくるまで藻掻けばいいのだん。
ブルーアワーとは、そういう時間なのかもねん。

ジャケから、もっと爽快なミドルな女性のキラッキラ青春を思い描いていたが…真逆じゃないですのん。ヤミヤミ青春ですやん。あっ…このタイプの青春も好きですよん。虚無感に圧迫死させられそうになる感じ。主人公と同じ感覚かは別にして、似たような閉塞感はしっかり味わったことあるのでん。

あぁ、この作品はめちゃくそ重たいのん。なのに、いい感じに役者や演出で和らげてくれてるよねん。この作品の空気感が堪らんわぁ。凄く掴み辛さも感じるけど、めちゃくそ響いた気にもなる作品。

Cast(役者·キャラ) 4
Story(物語) 2.5
Architecture(構成) 3
Picture(画) 3.5
Acoustic (音) 3.5
Bluehour Bonus +0.5
22-472
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