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フットライト・パレードのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

フットライト・パレード(1933年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ワーナー・ブラザース製作、MGMの『四十二番街』(監督はどちらもロイド・ベーコン)同様、ミュージカル映画の始祖の一つとして意味のあるバックステージ・ムービー。振り付けは天才バスビー・バークレー。

『四十二番街』然り、ミュージカル映画の成り立ちが、舞台レビューの楽屋モノだったとも云える似通った内容です。

主人公はトーキーの登場で下火になっているレビュー舞台を、劇場のチェーン化で乗り切ろうとする舞台演出家(ギャグニー)。中編映画とレビューの二本立てを思い付くが、競合会社も同じ手を考えていて、3日で3本ものレビューを制作する羽目になります。
クライマックスに、このレビューが所謂ミュージカル形式て上映されます。ハネムーンホテル、大掛かりなプールでのシンクロナイズドスイムダンスは見事すぎです。そして、さいこの上海リルではキャグニーが歌にタップを披露、米軍水平の大掛かりな群舞もあります。このクライマックスのミュージカル、3本立てでも見応え満点です。

映画の前半で開発される猫のレビュー。芝居小屋のチェーン化と猫の舞台と云えば、正に劇団四季の十八番。時代は変わる様で変わらないのも愉快!

一方、パワハラまがらいの職場恋愛が横行、主人公の仕事ぶりも今では讃えられより非難されるべきパワハラ振りで、つらいものもあります。

兎にも角にも、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース登場以前のミュージカルの原型はダンス少な目で残念ですが、ジャック・パウエルとルービー・キーラーも登場し、時代の空気を映し出す鏡としての価値が充分にあります。
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