あでぃくしょんBBA

トラップ・ゲームのあでぃくしょんBBAのレビュー・感想・評価

トラップ・ゲーム(2018年製作の映画)
2.5
2022.11.22 配信で視聴

Amazonの “見放題が終了間近”な中から、扉画像(ポスター)がポップで明るくて楽しそうだったので選んだのである。
ここのレビューの平均評点は低かったが、オープニングのVFXがすごくて、序盤から仲間探しに至るまでは音楽・テンポともに良く、さらに期待を高まらせたのである。
なのに、何だコレは。
後半、失速なんてもんじゃない。
もはや無理を承知で別の映画をつなげたみたいな。
これは作品として統合失調を来している。

・単発的にセリフで語られる父と息子の確執の起点や経緯が観ている側にはさっぱりわからない。
・超能力によるイカサマで賭場荒らしをする話が、いつから「特殊能力を手に入れる」のが本願の話になったのか。てか、超能力自体がそもそも特殊能力じゃないんかい。無意識と意識を自在に行ったり来たりするのが特殊能力というんなら、はじめからただの超能力とその能力とを区別する仕込み(なぜその能力が必要なのか等)が要るだろに。

もし編集前の本作に上記2点をカバーするエピソードが挿入されていたとしたら、肝腎なところが30分くらい削られていることになる。
アントニオ・バンデラス以外ほぼロシア人ばかりのキャストが、世界配給をめざして頑張って英語でセリフを話してたのに、完成体がこれじゃ可哀想すぎる。
それに、ポスター?のタイトルのすぐ上に「アントニオ・バンデラス」とあるのに、真ん中にいるのがPetar Zekavica氏で、バンデラスはポスターのどこにも見当たらない。さらに言えば、Petar Zekavica氏はキーマンになる役どころなのに、いろいろ欠落しているために彼の存在の重みが伝わってこない。
(映画館上映では完全版だったが配信では簡略版になった、ことも考えられるが、それを勘案してもお粗末すぎるだろ)

前半・後半ともに音楽とVFXは質を維持していたし、超能力仲間の雑多ぶりが『サイボーグ009』や『ワイルド7』の寄せ集め感を彷彿とさせて嬉しかっただけに残念感が大きい。

余談になるが、1969年から1973年の間のほんの半年ばかり、ESPガムというのが売られていたのを覚えてる人、誰かいるだろうか。
ガムの銀紙の上に巻かれた白い紙に、超能力の種類や透視能力を鍛える?記号が印刷されていた板ガムだ。
PTAだか教育関係だかからめちゃくちゃクレームが来て販売中止になったと記憶してるんだが、本作で思い出してググってみたけど出てこない(悲)。
あでぃくしょんBBA

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