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国家が破産する日のCinemanのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
3.0
『国家が破産する日』
チェ・ダクヒ監督
2018年 韓国
鑑賞日:2023年12月31日 U-next

「未成年裁判」でも素晴らしい演技を見せたキム・ヘス主演の作品。
1997年に韓国を襲った金融危機の裏側を描いた映画です。

・いち早く国家の危機を予測して国民を救おうとする中央銀行の一員。

・この危機を素早く察知してその混乱に乗じて一攫千金を狙う証券マン。

・直接最大打撃をうけることになる町工場の経営者。

この3人の視点から国家が破綻するとはどういうことなのかを政治や経済にうとい人にも分かりやすく伝える構成が見事な秀作。
演出にはそれほど魅力を感じなかったけれどキム・ヘスが魅力的で最後まで引っ張られました。

【物語の概要】
前年に経済協力開発機構(OECD)へ加盟して経済の好調が続くと信じられていた1997年11月。

韓国の中央銀行(国家や特定の地域の金融機構の中核となる機関。日本の場合は日本銀行。 銀行券(紙幣、貨幣)を発行する「発券銀行」)である韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョン(キム・ヘス)は経済危機の予兆を察知した。
上司にそれを伝えて緊急会議に出席した彼女は「このままだと1週間で国が破産します」と警告する。国民にそれを伝えなくてはと主張するが官僚たちは国民からは真実を隠すと決議する。

その頃大手証券会社に勤めていたユン・ジョンハク(ユ・アイン)も独自のルートから異変を察知する。
会社に辞表を提出し投資者たちを集めて説得して集めた金で一世一代の賭けを始める。

金属製の食器を製作する工場を営むハン・ガプス(ホ・ジュノ)は大手デパートからの大量注文に大喜びするが手形での支払いをデパート側から持ちかけられて一抹の不安を抱いていた。

アジアの通貨危機の余波をうけて外貨が不足していた韓国はIMF(国際通貨基金)に緊急融資を申し出る。
国が破綻するという深刻な事態に直面しても、
国民よりも大企業を優先して自分たちだけが生き残ろうとする経済官僚たちと、最後まで諦めずに「少しでも国民のダメージを少なくする方法」を必死に模索する主人公シヒョンとの対立を残り時間一週間というタイムリミットの中で描いていく。

【Trivia & Topics】
✥キム・ヘス。
地裁少年部で不良少年に嫌悪を感じながらも常に適切な処罰を下していた判事を演じたキム・ヘスが素晴らしかったが、危機をいち早く察知して国民を救うために奔走するストイックな銀行員役は適役でした。

【5 star rating】
☆☆☆
(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。
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