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機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのTKのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

宇宙世紀シリーズを年末に一気見したので再視聴。
初見ではクェスを中心として物語とキャラクターが振り回され続ける印象を受け、ラストシーンの意味もよく分からなかったので印象に残らなかったが、改めて観る事で各キャラクターの意図や各シーンの意味が理解出来て一気に面白い作品へと変化した。
特に「大人の男性」に固執し、男性の心をかき回し、それでいて意中の男性には目を向けて貰えずに自分の事を気にかけてくれる男性を意に介さないクェスという女性キャラクターが素晴らしい。
物語としてはアクシズ落としを決行するシャアとネオ・ジオン軍、それを阻止しようとするアムロと連邦軍の戦いを描いており、地球連邦の愚かさとネオ・ジオン軍の国民の明るさやシャアへの信頼などの描写に強い対比を感じさせる。
しかし、先述のクェスの印象があまりにも強いのは、これらの構図をクェスの視点で描くシーンが多いからだと感じる。
連邦側とジオン側にそれぞれ、クェスの事が好きな若い男、クェスが好意を持っている大人の男、クェスが憎しみをいだいている大人の女がおり、地球から宇宙に出て、連邦とジオンの2つの勢力に属し、それぞれの視点の戦争をその目で見るキャラクターとなっており、同時に主要キャラは全員彼女となんらかの関係を持つ。
それでいて、ニュータイプ適正を持ち、戦場で起きる全てを感じる事ができるのだから、強烈な印象を抱くのも仕方がない。
ファーストシリーズから始まったアムロとシャアの因縁の戦いが描かれるだけではなく、モビルスーツの開発に緻密なメカ描写、政治シーンや豊富な人間ドラマ、濃厚なMS戦の全てが観られる傑作だが、ガンダムをある程度理解しないと真の面白さが理解出来ない作品でもある。
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