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Fukushima 50のapapattiのネタバレレビュー・内容・結末

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

御涙頂戴の安いドキュメントではなく、国家転覆クラスのインシデントに向き合う現場が重厚に描かれていて良かった。

シンゴジラもそうだけど、変に感情や主観を挿入せず、事象を基にしていたことと、停電を中心に据えた暗い画面効果などがそうさせたのだと思う。
死に面しての家族の和解くらいは全然あってよいでしょう、きっと。多少スピード感落ちたからない方が好みかもな、とは思ったけどそれはきっと僕が人でなしなだけかな…

いやーでもほんとこうなるんだろうな、という意思決定の難しさ。
海水は不純物あるから注入を止めろと国が言ってくるとか、総理大臣が視察にいくけどその防護服は現場で出せとか、とにかくベントやれとか、やるなとか。
コンプレッサでうまいことやれたから現場突入なくて大丈夫になった!いやもういって死にかけたわとかで、現場レイヤーでもそこそこ混乱してるしね、リアル。

総理大臣も悪意はないのだろうけど視察行くし。あー菅総理だっけ…あー…
発破かけるんじゃなくて意思決定してほしいよね。アサインしてくれよ。

でもマジでシナリオとしては日本が沈むとこまで描かれてたんだろうなと思うとゾッとしますね。なんで減圧されて爆発せずに済んだかわからん、ほんとギリギリだったんだなあと。

こういう時にスーツ着てる側じゃなくて、現場で汗かけるやつではいたいなぁ。

復興五輪となるはずだという結びが、今や世界的な感染症に上書きされるという、なんともなにが起こるかわからない世の中だ。事実は小説よりも奇なりを地でいく世界になってしまった。
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