こなやん

Fukushima 50のこなやんのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.2
観に行って良かった。
最初 まだ10年も経っていないあの大災害を、もう商業ベースのエンターテインメントにすると言う事に抵抗があり、お亡くなりになられた方、被災した方にとても失礼に感じた。
しかも いまだ立ち入り禁止区域がある、汚染水問題がある、廃炉もまだまだ時間がかかる、などなど課題 問題が山積の状態でだ。

しかし友人に強く勧められて、賛否有る事を承知で観に行きました。

冒頭いきなり大地震のシーンから始まる。
私は関西在住で当時も仕事をしている最中、強い揺れを感じ 和歌山辺りの南海地震がとうとう来たのかと、テレビをつけた所 東北地方だと知り、驚き ただ事では無いと恐怖で体が震えたのを覚えている。
この冒頭の数十分が津波の場面も含めて、かなりリアルでトラウマを持った人には辛いかも知れない。

それだけ良く出来た出だしだが、ここからの現場や家族などそれぞれの人間模様や福島の当時が、この映画の本題である。

細かくは書き切れ無いのではしょるが、とにかく中盤以降 何度も涙無しには観られ無いシーンが有り 感情移入し過ぎてしまった。
それだけ 吉田所長演じた渡辺謙から名も無き発電所のいち所員役まで、気持ちのこもった演技だった様に思う。
特に最近あまりスクリーンでは見かけ無いが、久しぶりにぼくとつとした雰囲気の東北人を演じた、日本のアンソニーホプキンス 火野正平はいい味を出していた。

さらに 佐藤浩一がこれまでで一番のパフォーマンスでは無かったか?
やつれて疲れ切った表情での芝居、疲れ切ってはいるが少しの達成感と、地元への申し訳の無さと、同い年である亡き吉田所長への想いが混ざり合った様な、なんとも言えないラストの表情は、佐藤浩一史上 最高の演技だと個人的に称えたい。本当にかなり痩せられた様子なので身体を大事にケアして また良い作品を見せて下さい。

それにしても当時の菅直人率いる政府と東電の無能ぶりには、腹が立つし呆れた。 

追伸
阪神淡路大震災の時も 東北の時も、現政権の自民党では無いのはたまたまなのか 不思議だ。
こなやん

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