温泉たまご

ホテル・ムンバイの温泉たまごのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.3
2021-27

インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らすアルジュンは、街の象徴でもある五つ星ホテル“タージマハル・ホテル”の従業員。この日も、いつも通りのホテルの光景だったが、武装したテロリスト集団がホテルを占拠し、“楽園”は一瞬にして崩壊する──。


涙無しには見られなかった。
いつもどおりの日常。お客様をおもてなしするホテルの従業員たち。自分にも家族や大切な人がいるのに、恐怖に耐え、それでもお客様を守るために奮闘する。

こういうのを目の当たりにすると、宗教って、何のためにあるんだろうって思ってしまう。自分たちの救いのためなら、他者を殺すことも厭わない、それを本当に神の言葉、神の望みと思ってるんだろうか。
多神教の日本人だから言えることなのかもしれないけれど...。
犯人側の事情を見ると、一概に少年兵だけが悪いわけでなくて。だからといって許されるものでもない。ただ、首謀者が捕まらず、今ものうのうと生きているかもしれないことを考えると...。

こんなときに、冷静に立ち向かえた人々を本当に尊敬する。決して忘れてはいけない出来事。見終わったあとに、なんとも言えない重みが心にのしかかる。
それでも、見てよかったと心から言える。