ネガティヴガール

Munchausen(原題)のネガティヴガールのネタバレレビュー・内容・結末

Munchausen(原題)(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分用メモ

YouTubeで観られる超短編、音楽だけで構成されており台詞は一切ない。なのに伝わってくる登場人物らの感情。相変わらず天才的な撮り方をしている。
大学進学を機に家を出た一人息子が居なくなった事による母の心の闇を描いた作品だった。息子が帰省した際にカーテンが赤い花柄になったり光が差し込む所、写真を飾ってある部分の壁紙だけが花柄である所などからこの母親にとって息子の存在を感じる事が出来た。息子が家を出てから壁紙は茶色になり家のシーンも暗くなっていた。一つの部屋から出た外の世界は無限に広がっている所、その映し方など色々なショットの切り替えがとても良かった。
ネタバレになりますが「シックス・センス」に出てくる母が娘に行った行為と同様の事をしていたけれど本作は少し意味が違う様に思えた。「シックス・センス」では娘の世話をする事により周囲からの同情を貰い精神的に満たされているように見えたけれど本作は「息子から必要とされたい」という心理が伺えどちらかというと母は周囲は気にしていないように見えた。むしろ息子しか見えていないような。
息子が苦しみ助けを求める事にも「息子から必要とされている」という感情から変に快楽を得ているようにも見えた。
短編だけれど、かなり満足で流石としか言いようがない後からくるジットリした感覚を残せるのは、やっぱりこの監督の強みだと思う。
メモ:「SAYONARA」