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Munchausen(原題)のmのレビュー・感想・評価

Munchausen(原題)(2013年製作の映画)
4.7
「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督によるサイレント短編。
学生時代の「The strange thing about the Johnsons」、最新作「ヘレディタリー」と同じく、テーマになるのは『家族という地獄』。台詞無しでも何の問題もなく歪んだ感情を存分に伝え切るストーリーテリングの素晴らしさ!場面転換とカメラワークが猛烈に巧い。

「ヘレディタリー」でもそうだったのだけど、やらかしてしまった人の行動後の感情や行動が妙に生々しいのが良い。

今回スポットライトが当たるのは母親。息子に家に残されていく母親の、こうした感情に光を当てた事には価値がある。ちなみに母親を演じるのは「ダイ・ハード」のホリー役の女優さん。熱演です。
「The strange thing about the Johnsons」同様に、歪んだ行動をとってしまう人の抱える愛や哀しみを決して茶化さずに重く鋭く描いているからこそ、ただの世にも奇妙な物語的短編にならず言い様の無い哀しみと地獄感を観客の心に残していく。

それにしてもアリ監督、ここまで来ると何か家族に関するヤバいトラウマを抱えているとしか思えなくて心配になってくる・・
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