テオブロマ

Munchausen(原題)のテオブロマのレビュー・感想・評価

Munchausen(原題)(2013年製作の映画)
3.8
ママが闇落ちしたバッドエンド版トイストーリー3。ヘレディタリーやらミッドサマーやらアリ・アスター作品がすごく気になってるけど、まだ勇気が出ないのでサクッと短編から入ってみた。わずか16分でサクッとがっつり嫌な気分になれる!

絵面はポップで笑顔も多く映るのに常に不穏さが漂っていて、16分しかないのに一瞬たりとも気を緩められない。車は事故るんじゃないか、笑顔で後ろ手に刃物を隠してるんじゃないか、毒物を仕込むんじゃないか…最後はその通りだったけど…食べ物に指輪を仕込んだプロポーズとの対比で、母親の行為の異常性がより際立つ。思い出の品がことごとく不穏さ発動のトリガーになる。ナイスFEEL BAD、そしてSAYONARA。これで息子は離れていかないね。心の中で生き続けてずっとそばにいてくれるね…。

個人的には、代理ミュンヒハウゼンというよりは病的な分離不安、あと「後悔先に立たず」「覆水盆に返らず」的な話に見えた。自分に依存し続けて欲しいという願望?息子以外からの関心を得たいとは特に考えていなさそうだなと。

普通なら幸せの象徴として見られるものが、実は不幸の始まりかもしれないという不安を植え付けられる。ミッドサマーの影響で青空と花が怖くなったという話も聞いた。アリ・アスターの精神汚染恐ろしいな。観るしかない。
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