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『娘とヒアシンス』に投稿された感想・評価

[いつかこの愛が受容されることを願って] 90点

スウェーデン映画史の中でもベルイマン時代の直前に現れた特異な作品。長年見たかったこの作品が国立フィルムアーカイブにやってきたので鑑賞。何が特異かまでは調べていなかったのでその"特異さ"に度肝を抜かれた。

物語としては「市民ケーン」のように一人の男が亡くなった女のことを証言を繋いで理由を調べるというもの。ダグマル・ブリンクは首を吊って自殺し、彼女のことを殆ど知らない隣家の小説家夫婦に遺品が譲渡される。生前からとらえどころのなかった彼女に興味をいだいた小説家は彼女を知る人を訪ね歩き、自殺した理由を探る。刑事もののようなサスペンスではないので小説家とダグマルの知人が出会う場面が唐突だったり、終始とらえどころのないダグマルの人生は映画的な"ありきたりさ"を持ち続けていた(望まれない子供、クズの酒飲みとのロマンスなど)が、それでもやっぱり最後の最後にやってきた叙述トリックの破壊力は抜群で、"終わり良ければ全て良し"という思い出補正のために本作品の評価は曖昧になっている。これが世に言う"一本締め映画"なのだ。
しかし、あの叙述トリックは反則だと思う。結局はダグマルの想いの人であるアレックスというのが男性ではなく女性であり、ダグマルの想いが時の流れによって届かなくなったことを悟ったという絶望から自殺した訳なんだが、少し小説家の妻のエピソードに依拠し過ぎなきもする(ミスリードが多すぎる)。それでも一本締め映画の余韻は素晴らしいものがあるし、魅せ方としては申し分ないのではないか。

映像としては特筆すべき点はそこまでないものの、闇の中の光を強調しすぎたせいでダグマル役ヘンニングのエラに反射して女装してるおっさんみたいに写ってたのは残念を通り越して面白かった。

全ての真実を悟った小説家の妻は小説家にはそれを伝えなかった。調査の過程で聖性を帯びてしまい"何か崇高な理由を持って自死を選んだ"と思い込んでいた小説家は、ダグマルがプレイボーイの知り合いの家に行ったあと自殺したと聞いて"なぁんだ普通の女じゃないか"と落胆していたからだ。そこに"彼女はレズビアンだった"と加えたらどうなるだろう。あの時代なら軽蔑したに違いない。ダグマルは愛する人の愛を得られなかったという"崇高な理由"のため自死を選んだ"普通の人間"である、同性を愛するから特別な人間でもない。皆と一緒である。小説家の妻はいつの日かこの恋が受容されることを願って、口を閉ざしたのだ。
これはかなり良い。語りは完全に『市民ケーン』だが、『第7の犠牲者』みたいな、ノワール感があるね!
主役の娘の顔つきも素晴らしいし。
何より彼女のシーンはすべて夜なんだよ。
しかもどのシーンも夜なのに部屋の照明をつけない。
これ最高。
mingo

mingoの感想・評価

4.0
市民ケーン的語り口で綴られる1人の女性の沈黙なる情熱が胸を打つスウェーデン映画の傑作。
本国ではベスト10に食い込むのもうなづける。ラストの衝撃さは先駆的な内容といつの時代も手紙を盗み読んで邪魔するやつがいるからうまくいかない物語を逆手に取った巧さに唸る。男でも女でも性別にかかわらず愛されてないとわかったときの演出にこそ力量が問われるのだなと再確認。暗い夜の帳が印象的な静かに胸を打つ傑作。